第7回日本医療教授システム学会総会 ごあいさつ
第7回日本医療教授システム学会総会会長を拝命しました熊本大学の鈴木克明です。私は本学会創設時に理事にお誘いを受け、教育工学(インストラクショナルデザイン)の立場から医療教授システム学に関心を寄せて参りました。このたび、看護師で本学教授システム学専攻の同窓生でもある紙谷あゆ美さんをプログラム委員長に迎え、第7回の総会を会員の皆様にとって実りあるものにしていくお手伝いをさせていただくことになりました。
本学会は「現場を変革できる医療者の育成」を2015年に向けてのビジョンに掲げ、様々な活動を展開してきました。2011年と2012年にはARCSモデルの提唱者ジョン・M・ケラー教授を迎えて「ISD/ARCSセミナー」を行い、様々な教育研修事例の改善案を考えました(2013年以降はオールジャパンで継続中)。セミナーを受けて、個々の改善事例を掘り下げて議論する「ISD/Research事例研究会」を毎月開催し、その成果を総会の発表や学会誌『医療職の人材育成』への投稿へと結び付けてきました。教育研修事例の改善に取り組み、「現場を変革できる医療者の育成」を進めると同時に、その成果を研究としてもアピールできる「一石二鳥」が達成できる学会づくりの形が整いました。また、会員主導型の「プロジェクトチーム制度」を導入し、異なる組織に属する教育研修担当者同士が知恵を出し合って成果をまとめることで、他の組織でも汎用的に使える研究プロダクトを創り出すことも支援しています。本総会においても、これらの活動の成果が存分に発揮され、参会者に大いなる刺激を与えてくれるものと期待しています。
本総会は、総会そのもののデザインにも工夫を試みます。企画セッションでは、定番プログラムを引き継いだうえで、(医師+看護師)×(卒前+卒後)の4領域をカバーすることを意識してテーマを設定し、皆さんの幅広い関心に答えるプログラムを用意します。また、一般演題の募集においては、より長く時間をかけて議論ができる事例発表とより深い議論ができるポスターセッションを準備し、参会者間の交流を進めます。運営面ではスリム化を目指し、企業からの協賛に依存しない総会を手作りしていきます。総会テーマ「できる医療者に育つ/育てるしくみ」を掲げ、「現場を変革できる医療者の育成」に関心を寄せる会員諸氏、あるいはこれから会員になることを検討されている多くの方々のご参加・ご参画をお待ちしております。
第7回日本医療教授システム学会総会 会長
熊本大学大学院教授・教授システム学専攻長
鈴木 克明