「看護実践能力」を学ぶ・教える教育設計:基礎セミナー

「看護実践能力」を学ぶ・教える教育設計:基礎セミナー
(ゴールド・メソッドを用いた看護教育テンプレートの使い方)
日程:12月9日(日)9:00-12:00 
場所:福岡大学医学部看護学科

対象:看護教員
参加会費:JSISH会員6,000円、非会員10,000円
ファシリテーター:
池上敬一(日本医療教授システム学会)、岡本華枝(岐阜聖徳学園大学)、黒木智鶴(活水女子大学)、三浦沙織(活水女子大学)、石橋曜子(福岡大学)、山岸智子(防衛医科大学校)


 ゴール

多様性・複雑性に対応した看護実践ができる新人看護師に育つ/育てる看護師基礎教育をデザインし実践できる。

◆ 基礎セミナーの学習目標

多様性・複雑性に対応した看護実践ができる新人看護師に育つ/育てる看護師基礎教育のデザインモデル(ゴールド・メソッド®)を使って看護技術の教育・演習を改善できる。

事前学習と基礎セミナーの方法・スケジュール

◆事前学習

◆基礎セミナー

  • 学習目標と学び方の説明
  • 看護技術の教育・演習についての課題整理(グループワーク)
  • インプット1:急変させない患者観察テクニックの内容を応用した看護教育の実践例(岡本、山岸)
  • インプット2:ゴールド・メソッドを応用した看護教育の実践例(黒木・三浦)
  • アウトプット:看護技術の教育・演習の改善(個人ワーク、グループ内プレゼンテーション)
  • 振り返り
看護師基礎教育の課題と医療インストラクショナルデザインによる課題解決策

以下、公益社団法人日本看護協会のホームページ(https://www.nurse.or.jp/nursing/4th_year/meeting/index.html)が指摘する課題と医療インストラクショナルデザイン(日本医療教授システム学会)による課題解決策の例を示します。

  • 現在の基礎教育は2025年への対応に追いついていない(教育時間が不足する)→教育の効果と魅力を高めることで学習率を改善する→具体的には複雑な看護実践をモデル化し、シンプルな看護実践から複雑な看護実践に向けて教育を系列化する。
  • 「一人でできる」と答えた看護技術が、第4次カリキュラム改正以降に激減→看護技術(行動目標)ではなく看護実践能力(能力目標)を教える。
  • 就職時の能力不足による医療安全上のリスク→看護実践モデルに3つの観察と患者安全信号機を組み込むことで患者安全能力を習慣化する。
  • 自身の能力への不安から新人看護師が離職→文脈学習・精緻化理論を用いたカリキュラムにより看護実践能力に自信を持ち「できる」看護師に成長するための学習の仕方を身につける。
  • 看護技術の習得には教育時間が必要→看護実践能力を効果的・効率的・魅力的に教えるためにメンタル・シミュレーションを主体とした学習者調整型教育を採用する。

看護師基礎教育のさまざまな課題に対し、医療インストラクショナルデザインはさまざまは解決策を提案することができます。従来の教育時間はすぐに変えられなくても教授のデザインや教授の方法に工夫を加えることで教育の効果(看護実践能力を獲得する)と魅力(もっと学びたくなる)を向上することができます。