第2回日本医療教授システム学会総会

開催概要

テーマ:「医療改革とシミュレーション研修」
大会長:奥寺 敬(富山大学大学院危機管理医学 救急・災害医学)
日 程: 2010年2月14日(日)~17日(水)
場 所: 学術総合センター (17日 富山国際会議場)

ごあいさつ

2回の日本医療教授システム学会(JSISH)を担当させていただきます。
当初は、草の根レベルの心肺蘇生コースからはじまった我が国の臨床シミュレーション研修は、ここ10年ほどで飛躍的に普及しました。いまや医学生教育、卒後初期臨床研修、後期研修において欠かすことのできない方法論として幅広く定着しつつあります。

また、様々な教育予算や地域医療への支援策等で、シミュレーションセンターまたはそれに相当するユニットの設置が進んでおり、むしろ人材不足やコンテンツ不足が表面化しつつあります。本学会は、新の意味での医学の学びを支援することを目標として立ち上げられたばかりの新人ですが、社会からの期待は予想以上のものがあり、社会的な存在意義も日に日に大きくなっております。

今回の主題は、すでに国産の臨床シミュレーション研修として海外へ発信する段階になっているISLS(脳卒中初期診療)コース、臨床シミュレーション研修の最大の課題であるまとめかたと研修システムそのものの評価、臨床シミュレーション研修を研修内容に包括するであろう救急患者緊急度判定システム開発、災害領域のシミュレーション、新年度より努力義務化される新人看護師の研修に対する提案、などを取り上げます。さらに医師と歯科医師のコラボレーションであるDCLS(歯科診療危機対応)コースとワークショップも開催し、歯科領域の研修についての提案も企画しています。

これらの主題は、200911月現在での企画ですので、さらに2月の学会期日までに持ち上がった新たな話題も可能な限り取り上げる予定でいますので、各位からの演題応募、提案などを歓迎いたします。
学会の場を活用して、活発な議論が展開されることを祈念しています。

第2回 日本医療システム学会総会
組織委員長 奥寺 敬
富山大学大学院危機管理医学
(救急・災害医学)
第2回 日本医療教授システム学会総会 大会長:奥寺 敬(富山大学大学院危機管理医学 救急・災害医学)

プログラム

プログラム(タイムスケジュール)(PDF)

JSISH コース
「患者急変対応コース for Nurses」プロバイダーコース
ファシリテーター:瀬川 久江

「患者急変対応コース for Nurses」ファシリテーターコース
ファシリテーター:瀬川 久江、荒井 直美

「Lorry’s クリティカルシンキングセミナー・午前コース」
ファシリテーター:岩本 由美、チーム中村
ハワイ大学看護学部のLorry 先生が授業で行っているクリティカルシンキングをセミナー形式で行います。過去数回、国内で実施しましたが大変好評をいただきました。看護師さんだけでなく看護教員、院内教育・研修担当者に最適化しています。あわせてシミュレータの活用法を紹介します。参加者はご自身のノートPC をご持参ください(ソフトウエア体験版をインストールし、使用する予定です)。

「Lorry’s クリティカルシンキングセミナー・午後コース」
ファシリテーター:岩本 由美、チーム中村
午前コースと同じ内容になります。参加者はご自身のノートPC をご持参ください(ソフトウエア体験版をインストールし、使用する予定です)

JCSO(日本臨床シミュレーション機構)コース
「DCLS コース」  日本臨床シミュレーション機構

Keynote
医療改革とシミュレーション研修
富山大学大学院危機管理医学(救急・災害医学) 奥寺  敬

Symposium 1
医療改革とシミュレーション研修
司会:木村 昭夫、澤 智博
草の根レベルの心肺蘇生コースからはじまった我が国の臨床シミュレーション研修は飛躍的に普及し、いまや卒前教育、卒後臨床研修、そして新人看護職員研修に欠くことのできない方法として幅広く定着しつつあります。また、様々な教育予算や地域医療への支援策等で、シミュレーションセンターまたはそれに相当するユニットの設置が進んでおり、むしろファシリテーター不足や学習コンテンツ不足が表面化しつつあります。
このシンポジウムでは研修の設計・実施・評価、ファシリテーター養成、医療再生などのテーマを取り上げたいと思います。

招待講演 1
Rapid Response Systems-Toward Patient-Centered Medicine
司会:池上 敬一
演者: Anne Lippert, MD (Danish Institute for Medical Simulation: DIMS)
※ 2009 年にコペンハーゲンで開催された第5 回国際Rapid Response Systems /Medical Emergency Teamsシンポジウムの会長を務めたDIMS のAnne 先生の講演です。RRS/MET の本質は「医療を必要とする患者に、必要な医療を迅速に提供する」ことにあります。欧米では院内における患者急変対応・院内救急システムという考え方から、「患者中心の医療」に考え方がシフトしてきています。
この講演では、RRS とはどのようなシステムなのか、その効果は、そして今後のRRS / MET のあり方について紹介していただきます。

Symposium 2
トレーニングコースの経済学
司会:奥寺 敬
我が国の臨床シミュレーション研修のほとんどは経済的な持続性が担保されないまま行われています。コンテンツ作成、資器材の調達、インストラクターの確保、コースの情報を提供するICT 管理、受講者への資料提供、インストラクターの研修など、トレーニングコースを継続的に運営するにはコスト計算が必須になります。しかし、我が国には「トレーニングコースは無料、コース運営は無償のボランティア活動」という風潮が蔓延しています。プロフェッショナルが対面式(face‒to‒face)でプロフェッショナルを育成するトレーニングコースは、何よりも学習の質の確保が重要になりますが、その基盤はトレーニングコースの経済学です。
このシンポジウムではこれまで語られることのなかったこの問題を取り上げ、今後の健全で良質なコース運営のありかたについて経済的な観点から議論したいと思います。

Panel Discussion 1
医療改革-患者急変対応と救急外来医療の質向上
司会(予定):木村 昭夫、浅香えみ子
入院患者の急変対応(acute medicine)と救急外来での診療(emergency medicine)は全ての医療者が身につけるべき基本的な医療タスクに位置づけられます。患者急変対応と救急患者の診療のアプローチ・タスクには共通する部分が少なくありません。一見異なる二つの領域における学習・訓練を効果的・効率的・魅力的に行う考え方と方法についてディスカッションしたいと思います。

会長挨拶
第3 回日本医療教授システム学会総会長
木村 昭夫

CTAS(救急外来緊急度判定)基礎セミナー

招待講演 2
CTAS の教育システム
司会:奥寺  敬
演者:Michael Bullard, MD. University Of Alberta 

Panel Discussion 2
効果的・効率的・魅力的な臨床研修のあり方
司会:平出 敦、吉田 素文
医療系教育におけるFD のあり方:Faculty development からFacilitator development へ
医師臨床研修のゴールは、患者・家族と社会が必要とする医療を社会的に受容される方法で提供できる医師の養成にあります。すべての医師に求められる能力として「患者安全を最優先にできる」「チーム医療を推進できる」がありますが、これは研修医にも同様に求められます。一方指導医には、「短期間のローテーションで、患者安全とチーム医療を遂行する基本的コンピテンシーの獲得を支援し、それを社会に保障する」能力が必要になります。医師臨床研修が成果をあげるには、1970 年代にルーツをもつ従来の「臨床研修指導医養成ワークショップ」をバージョンアップする必要があると考えられます。
 このパネルディスカッションでは、「高度な医学知識をteaching」するだけでなく、現場に出る前のリハーサル(シミュレーション)および現場での学びを確実に・短期間で・イキイキと支援するfacilitator 育成の必要性・あり方について議論したいと思います。

JCSO(日本臨床シミュレーション機構)コース
「ISLS 指導者養成ワークショップ」

CATS(救急医療の質向上協議会)
「救急救命士の周産期現場における介助技術の習得コース」
ファシリテーター:さいたま赤十字病院助産師

ポスター展示

ポスターラウンド

JCSO(日本臨床シミュレーション機構)コース
「ISLS/PSLS コース」

2月16日プログラム3日目
 わが国の医療を再生し医療の質・安全を向上するには、医療における看護実践パワーを増強することが不可欠です。病院の看護実践パワーは、新人看護師の能力(看護基礎教育の成果)・看護師数・看護職員の研修体制がうまく連携し、看護チームの能力が最適化されたときに最大になると考えられます。
 いま、病院の看護実践パワーを最大化ために、それぞれの病院がそれぞれの工夫を行うことが求められています。具体的にどのような工夫をすればいいのでしょうか?
 当学会では、具体的な工夫を考えるには成功事例や失敗事例から教訓・知恵・ヒントを引き出し、それを共有する(それぞれの病院に適用する)ことが大切だと考えています。
 2月16日は一日を費やし、病院の看護実践パワーを最大化するための具体的方法について探索いたします。そしてそのプロセスの中から、参加者全員がそれぞれの教訓・知恵・ヒントを「言葉」として現場に持ち帰り、現場の看護実践パワーを強化する「種」としていただきたいと思います。

人材育成・成功事例に学ぶラウンドテーブルディスカッション
「新人看護師の離職ゼロを達成したマツダ病院(広島県安芸郡)に学ぶ」、他
司会:岩本 由美、浅香えみ子
コメンテーター:香川 秀太 筑波大学人間総合研究科心理専攻 
これまで看護の現場では「看護師の能力開発」(人材育成)という考え方は十分普及していませんでした。医療の高度化・複雑化に従い、新人看護師に要求される能力が高くなりましたが、その要求水準を満たすための研修体制は整備されていませんでした。これは新人看護師の高い離職率の原因のひとつと考えられています。
マツダ病院は「新人看護職員の離職率ゼロ」を達成しました。マツダ病院の実践から多くのヒントを学びたいと思います。

Sponsored Seminar
「看護師育成と継続学習-看護シミュレーションの位置づけ」
講師:クローズ幸子 亀田高度専門職研修センター/サギノウヴァレイ州立大学大学院
教授・成人継続教育学博士/医療法人鉄蕉会・経営管理本部・
企画部第縛解説準備室長
司会:岩本 由美

JSISH セミナー
「EuSim ファシリテーションセミナー」
講師:Anne Lippert, MD. DIMS, EuSim
司会:石松 伸一 

JSISH 看護セッション
「看護師育成プログラム・再就職支援プログラム」
司会:浅香えみ子、岩本 由美

JSISH セミナー
「クリニカルマップ・シミュレーション研修の取りまとめ方」
司会・運営:安心院康彦、中村 丈洋、奥寺  敬 他
近年急速な進歩をみせる各種トレーニングコースにおいて、複雑化した知識や技術をコース最後にどのような形でまとめて受講生に印象付けるか、その必要性や方法についての多くの意見とアイディアを募集します。

シミュレーションセッション 
「ICLS/BLS/ACLS」
司会:武田 聡、松本 尚浩 

「ISLS」
司会:加塩 信行

「市民蘇生教育」その他
司会:西本 泰久