第7回日本医療教授システム学会総会

第7回日本医療教授システム学会総会

開催概要

テーマ:「できる医療者に育つ / 育てるしくみ」〜 実践成果の見える化と共有 〜
日 程:2015年35日(木)〜201536日(金)
会 長:鈴木克明(熊本大学大学院社会文化科学研究科 教授システム学専攻 教授)
プログラム委員長:紙谷あゆ美(済生会横浜市東部病院)
会 場:東京大学本郷キャンパス

ごあいさつ

7回日本医療教授システム学会総会会長を拝命しました熊本大学の鈴木克明です。私は本学会創設時に理事にお誘いを受け、教育工学(インストラクショナルデザイン)の立場から医療教授システム学に関心を寄せて参りました。このたび、看護師で本学教授システム学専攻の同窓生でもある紙谷あゆ美さんをプログラム委員長に迎え、第7回の総会を会員の皆様にとって実りあるものにしていくお手伝いをさせていただくことになりました。

本学会は「現場を変革できる医療者の育成」を2015年に向けてのビジョンに掲げ、様々な活動を展開してきました。2011年と2012年にはARCSモデルの提唱者ジョン・M・ケラー教授を迎えて「ISD/ARCSセミナー」を行い、様々な教育研修事例の改善案を考えました(2013年以降はオールジャパンで継続中)。セミナーを受けて、個々の改善事例を掘り下げて議論する「ISD/Research事例研究会」を毎月開催し、その成果を総会の発表や学会誌『医療職の人材育成』への投稿へと結び付けてきました。教育研修事例の改善に取り組み、「現場を変革できる医療者の育成」を進めると同時に、その成果を研究としてもアピールできる「一石二鳥」が達成できる学会づくりの形が整いました。また、会員主導型の「プロジェクトチーム制度」を導入し、異なる組織に属する教育研修担当者同士が知恵を出し合って成果をまとめることで、他の組織でも汎用的に使える研究プロダクトを創り出すことも支援しています。本総会においても、これらの活動の成果が存分に発揮され、参会者に大いなる刺激を与えてくれるものと期待しています。

本総会は、総会そのもののデザインにも工夫を試みます。企画セッションでは、定番プログラムを引き継いだうえで、(医師+看護師)×(卒前+卒後)の4領域をカバーすることを意識してテーマを設定し、皆さんの幅広い関心に答えるプログラムを用意します。また、一般演題の募集においては、より長く時間をかけて議論ができる事例発表とより深い議論ができるポスターセッションを準備し、参会者間の交流を進めます。運営面ではスリム化を目指し、企業からの協賛に依存しない総会を手作りしていきます。総会テーマ「できる医療者に育つ/育てるしくみ」を掲げ、「現場を変革できる医療者の育成」に関心を寄せる会員諸氏、あるいはこれから会員になることを検討されている多くの方々のご参加・ご参画をお待ちしております。

7回日本医療教授システム学会総会 会長
熊本大学大学院教授・教授システム学専攻長
鈴木 克明

プログラム

プログラム日程表(PDF)

プログラム・抄録集 一括ダウンロード

会長講演
できる医療者に育つ・育てるしくみ:インストラクショナルデザインからの提言
司会:獨協医科大学越谷病院 池上 敬一
演者:熊本大学大学院教授・教授システム学専攻長 鈴木 克明

事例検討会 1
司会:日本 BLS 協会 青木 太郎
ファシリテーター:熊本大学大学院 鈴木 克明

ランチセミナー 1
JSISH 用語集~これでもっと抄録集が読みやすくなる~
ファシリテーター 自治医科大学 淺田 義和

教育企画 1
卒前看護教育に関するお悩み解決セミナー
ファシリテーター 北里大学看護学部基礎看護学助教 八木 街子
東京逓信病院看護師 岡崎 大輔
アドバイザー 青森県立保健大学健康科学部看護学科教授 織井優貴子
熊本大学大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻教授 鈴木 克明

教育企画 2
シミュレーション医療教育における模擬患者
ファシリテーター 獨協医科大学越谷病院 池上 敬一
社会医療法人緑泉会米盛病院 松木薗和也

ランチセミナー 2
看護師の成長・発達を支援する研修プログラム
ファシリテーター 獨協医科大学越谷病院 浅香えみ子
広島文化学園大学大学院 岩本 由美
獨協医科大学越谷病院 池上 敬一

教育企画 3
医学教育における SD、FD
司会:獨協医科大学越谷病院 池上 敬一
ファシリテーター:愛媛大学 根本 淳子
演者:近畿大学 平出 敦

学会の方向性と活動
演者:獨協医科大学越谷病院 池上 敬一

教育企画 4
~新人看護教育研修をリ・デザインする~「ID の視点で研修効果の見える目標を立てよう」
新人看護職員研修を担当する方のためのワークショップ~新人看護職員研修をリ・デザインする~
ファシリテーター 済生会横浜市東部病院 山田 紀昭
済生会横浜市東部病院 紙谷あゆ美
獨協医科大学越谷病院 石井恵利佳

招待講演
アドラー心理学の医療従事者育成の場への活用
司会:熊本大学大学院 鈴木 克明
演者:早稲田大学人間科学学術院 教授 向後 千春

ランチセミナー 3
JSISH 資格制度が目指すもの
ファシリテーター 獨協医科大学越谷病院 浅香えみ子
熊本大学大学院 鈴木 克明

事例検討会 2
司会:豊田市消防本部 大石 奨
ファシリテーター:熊本大学大学院 鈴木 克明

教育企画 5
臨床研修病院の勝ち組になろう
ファシリテーター 神奈川県立足柄上病院 奥 典宏
プレゼンテーター 獨協医科大学越谷病院 杉木 大輔
自治医科大学 鈴木 義彦
愛媛大学医学部附属総合医学教育センター 山脇 孝

ランチセミナー
医師臨床研修をデザインする
ファシリテーター 獨協医科大学越谷病院 池上 敬一

教育企画 6
デブリーフィングオリンピック
ファシリテーター 東京慈恵会医科大学 武田 聡
自治医科大学 淺田 義和

教育企画 7
シミュレーションセンター運営~オールジャパンでシミュレーションセンター運営を考える~
ファシリテーター 岡山大学 万代 康弘

ポスターセッション


併設コース

看護実践能力学習システムのマクロデザイン卒前教育と卒後研修・生涯発達を統合する原理と方法 – わが国における Chief Learning Officer の必要性
日 時:2015 年 3 月 7 日(土曜日)9:00~16:00 (受付開始 8:30)
会 場:東京大学本郷キャンパス 医学部総合中央館
受講料:JSISH 会員 4 万円、非会員 6 万円
受講者定員:32 名(1 グループ 4 名、8 グループ)
受講条件:組織内で指導的な看護教員(教育機関)と看護職員(医療機関)

セミナーの背景わが国の医療を支える看護職員の能力開発は、患者のアウトカムに直接影響を与える大きな課題といえます。
2025 年の超高齢社会問題に対応するためにも、従来より格段に効果的・効率的・魅力的な看護職員の育成システムの構築が求められています。 従来の縦割りで行なう卒前教育と卒後研修のあり方を改善し、教員・指導者・学習者、そしてなにより患者・家族がハッピーになることを担保する新しい学習システムの開発が急務となっています。
このセミナーは、革新的でハッピーな看護実践能力の学習システムをマクロデザインできる人材(米国のChief Learning Officer:CLO)の育成を目的に企画いたしました。わが国の CLO(仮称)に期待される役割
・教育機関、医療機関の新しい役職(機能)
・教育機関、医療機関のミッション達成に必要な人材育成・パフォーマンス向上をマクロデザインする
・組織横断的に学習システムをデザインし、システムを組織に最適化できる。
・学習システムを現場にインプリメントできる(インストラクターチームと共同する)。
・学習システムのアウトカム評価とシステム改善ができる。セミナーの学習目標

卒前教育・卒後研修・生涯発達を統合する学習システムの設計原理を理解する。
学習者中心主義の教育・研修の考え方にマインドチェンジする。
組織(教育機関、医療機関)のミッションを遂行するためのテクノロジーとその応用(インストラクショナル・デザイン・テクノロジー)の原理を理解する。
組織にインパクトを与えるグランドデザインを考えることができる。
事前学習資料受講料振込後 PDF で配信医療教授システム基本用語集(オリジナル)
・医療教授システム実践モデル(オリジナル)
・セミナー・ワークブック
・河野龍太郎:医療システムの問題点と医療者のパフォーマンス向上による患者安全、医療職の能力開発 vol.3/No.1, 2014
・鹿野尚登:人材開発の基本としてのパフォーマンス・コンサルティング、医療職の能力開発 vol.3/No.1,2014

講師
鹿野 尚登 (株)ヒューマンパフォーマンス
鈴木 克明 熊本大学大学院教授システム学専攻
根本 淳子 愛媛大学連携 e-Learning 教育支援センターファシリテーター・アドバイザー
浅香えみ子 獨協医科大学越谷病院看護部
津嘉山みどり おもと会教育研修センター
阿部 幸恵 東京医科大学病院シミュレーションセンター
石井恵利佳 獨協医科大学越谷病院看護部
小澤 知子 東京医療保健大学医療保健学部看護学科
杉木 大輔 獨協医大越谷病院救急医療科
池上 敬一 獨協医科大学越谷病院救急医療科

JSISH 病院トレーニングサイトを設置しよう
日時:2015 年 3 月 7 日(土曜日)午前 10:00~12:00 受付開始午 9:30)
会場:東京大学本郷キャンパス 医学部総合中央館
受講料:無料
このセミナーでは、JSISH が推奨する病院トレーニングサイトの立ち上げと運営に関するストーリーを共有し、病院のミッション遂行、地域医療へ貢献と職員のキャリアアップを win-win-win の関係で達成するプランについて考えたいと思います。
紹介するストーリー
東京大学医学部附属病院(東京大学 AMLS プロジェクト)
東海大学医学部附属病院(東海大学医学部スキルクリニック)
松戸市立病院(ECC 松戸トレーニングセンター)
JSISH 病院トレーニングサイトの目的・病院のミッション遂行を支援する

病院職員の職能開発を支援する
地域医療に貢献する(医療者、救急隊員、市民、患者・家族の学習支援) SISH が提供する学習プログラム
北米救命士協会 AMLS(内科救急コース)、PHTLS(外傷コース)
アメリカ心臓協会・ECC プログラムの全て BLS/ACLS/ACLS-EP、PEARS/PALS、Heartsaver CPR/FA
JSISH 関連  患者急変対応コース for Nurses、救急活動とプロトコール(救急隊員対象)、ER 救急患者初期対応(ER 看護師、医療チーム対象)、市民対象・ファーストエイド、市民対象・患者急変対応コース
脳卒中、アナフィラキシーショック、熱中症、心筋梗塞、痙攣
病院トレーニングサイトとは?
・病院管理者の承認のもと、病院トレーニングサイトの目的を達成するために、院内インストラクターが院内スタッフ及び地域医療に関わる医療者・市民に継続的に学習の機会を提供するラーニング・システム
・JSISH が提供するプログラムを実施する
・学習スペース、資機材は病院が準備する コースの運営は受講料の設定・徴収・領収証の発行を含め病院トレーニングサイトが担当する(カード発行を伴うコースについては手数料のみ事務局へ送金)
ファシリテーターと担当
・松木薗和也 社会医療法人緑泉会米盛病院 総合内科部長,ラーニングセンター長 AMLS/PHTLS、救急活動とプロトコール、ER 救急患者初期対応

第7回日本医療教授システム学会総会 プログラム委員リスト

委員長
紙谷 あゆ美(済生会横浜市東部病院)

副委員長
淺田 義和(自治医科大学)
奥  典宏(神奈川県立足柄上病院)
松本 尚浩(笑顔のおうちクリニック松戸)

委員
石井 恵利佳(獨協医科大学越谷病院)
大石  奨(豊田市消防本部)
岡崎 大輔(東京逓信病院)
佐伯 街子(北里大学)
佐久間あゆみ(杏嶺会一宮西病院)
清水 將統(北里大学病院)
山田 紀昭(済生会横浜市東部病院)
須藤 健太郎(株式会社ハレ)

アドバイザー
大会長  鈴木 克明(熊本大学)
代表理事 池上 敬一(獨協医科大学病院)