第5回日本医療教授システム学会総会

開催概要

テーマ:「基礎教育と卒後教育のScaffolding
日 程:2013年3月7日(木) ~ 9日(土)
会 長:浅香えみ子(獨協医科大学越谷病院 看護副部長)
会 場:学術総合センター(東京)

ごあいさつ

5回日本医療教授システム学会総会の会長を務めさせていただき大変光栄に思います。
本会は、標準的な医療を安全・確実に提供できる医療職者の育成をするシステムを構築することをミッションとします。

医療者の育成はそれぞれの職種における基礎教育と卒後教育においてなされています。そこでは、基礎教育で育成された人材が臨床実践に踏み込むときに越えなくてはならない大きな溝があります。これは、人材の職場適応への大きな障壁であり、安全な医療の提供を困難にする要因でもあります。この溝は、医療技術の進歩や社会ニーズの変化に伴って広がり続けています。

基礎教育と卒後教育の狙いは、良質な医療者の育成であり、相違はないと考えます。しかし、学習環境や学習の質には当然違いがあるものだと考えます。ですから、基礎教育修了者が次のステップに上がるための学習環境としての階段をつくる必要があると思います。基礎教育と卒後教育のscaffold(足場)を用意することで、学習者である医療者がスムーズに溝を超えて行けるように学習システムを整えていきたいと思います。

本総会では、医療者の教育・学習に何らかの工夫・改善を目指す方々への新たな視点を見出していただけるよう、医療者教育へのISD活用の可能性、基礎教育と継続教育の将来展望、人材育成研究のフロンティアと題する特別講演を設けました。それぞれの領域のホットで将来を見通りされている講師の講演からも新たな発見があるものと期待しております。

専門基礎教育の入り口から社会が求める医療者を育成するために、基礎教育と卒後教育の間にscaffold(足場)を作る教授システムを皆案と考え、提案していきたいと存じます。実践事例からの提案を含めた活発なディスカッションを期待しております。

獨協医科大学越谷病院 看護副部長
浅香えみ子

総会フライヤー

プログラム

プログラム(タイムスケジュール)(PDF)

会長講演
経験学習と対話のある職場づくりからの人材育成
座長:獨協医科大学越谷病院 救急医療科 教授 池上敬一
演者:獨協医科大学越谷病院 看護副部長 浅香えみ子

特別講演1
医療者教育へのISD活用の可能性
座長:青森県立保健大学大学院 健康科学研究科 教授 織井優貴子
演者:熊本大学大学院 社会文化科学研究科 教授システム学専攻 教授 鈴木克明

特別講演2
基礎教育と継続教育の将来展望~看護職の立場から~
座長:獨協医科大学越谷病院 看護師長 吉原尚子
演者:公益社団法人 日本看護協会 看護研修学校教育研究部 部長 渋谷美香

特別講演3
人材育成研究のフロンティア
座長:公益社団法人日本看護協会看護研修学校救急看護認定看護師教育課程 主任教員 石井恵美子
演者:東京大学 大学総合教育研究センター 准教授 中原淳

パネルディスカッション
• ScaffoldingとFD

ラウンドテーブルディスカッション
• 現場を改善するアプローチ ~問題抽出ツールの医療現場での活用~
• 医療者教育にISDを取り入れよう -ISD事例報告会ー

ワークショップ
• 基礎教育と臨床教育をつなぐデブリーフィング
 ~効果的・効率的・魅力的なデブリーフィングを実践するためのワークショップ~
• 看護間を育みあう教育システムへの取り組み
• 演劇でIPWを学ぶ
• 卒前からベテランまで 明日から使えるシナリオ
• シミュレーション医療教育・サイエンスとガイドライン策定

公開講座
• 未来の医療者を育てるキッズメディカルプログラム~ブラック・ジャックセミナー~

ランチョンセミナー
• 緊急度判定を実践看護に役立てよう

ワールドランチョン

一般演題